―本誌ライターの小山内さんによる、コラム「オタク学」。「オタク的な分野×社会学」というテーマのコラムです。―
アニメや漫画に登場するキャラクターのコスチュームやウィッグ、小物などを着けて、そのキャラになりきった姿を撮影して楽しむ「コスプレ」。
一般に通じる常識語になったのは最近だが、オタク趣味としては意外と古くからある。
漫画家の安彦良和さんは、『機動戦士ガンダム』(1979年)でキャラクターデザインを担当したとき、「出来るだけ自作しやすいように」軍の制服のデザインに気を遣っていたほどだ。
■「レイヤー」の女の子は狙い目か否か!? 実はハードなスケジュール
コスプレを楽しむ人たちのことを「コスプレイヤー」、略して「レイヤー」という(写真撮影に徹する人は「カメコ」)。特に女性レイヤーの場合、コスチュームやメイクに気合が入っていて、かつレイヤー自身が可愛ければ、その魅力から多くの男性の視線を集めることが出来る。
漫画『げんしけん』に登場するレイヤー、大野さんが作中随一の人気キャラになったように、レイヤーの女の子はモテる場合が多い。
だがレイヤーの女の子の多くは忙しく、恋愛などに構っていられないケースが結構ある。衣装制作などの準備に時間とお金をとられるし、人目が少なく撮影に適した場所は限られているため、休日は仲間とコスプレイベント参加のために県外へ遠征、まともにデートもできない、ということも珍しくない。
■オタクコミュニティ内の「サークルクラッシャー」問題の責任は男側?
その上可愛い女性レイヤーは、同じような趣味を持つオタク男性に目をつけられやすい。その人が属しているコミュニティにもよるが、男性オタクの比率が多い集団の中にレイヤーである女性オタクが加入した場合、争奪戦になることが多い。こういった時に複数の男性を振り回して、コミュニティ内の人間関係をめちゃくちゃにしてしまう女性を「サークルクラッシャー」と呼ぶ。
そのような場合、女性に原因があるというより、恋愛経験や女性耐性の少ない男性オタクに責任がある、という認識が、今のところ一般的だ。
先にあげた『げんしけん』はフィクションだが、大野さんはオタクサークル内で、カメラや縫製(コスプレ衣装の自作)などの技術を持ち、趣味でカメコをやっていた男性と付き合うことになる。だがそんなスキルを持つ男性は稀だろう。
レイヤー女性に恋してしまった男性オタクは、茨の道を選んでしまったと覚悟しなくてはならない。
(小山内)
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(参考リンク)コスプレイヤーってプロ意識皆無だよね
小山内 聡(おさない そう)
漫画とアニメとゲームが好きで軍事オタクの文系大学生。趣味はノンフィクションを読むこと。はてなダイアリー『日の丸海賊団』で書評を書いています。
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